この記事で分かる事
- 保育士の配置基準の何が変わった?
- 保育士の配置基準はいつから変わる?
- 配置基準が変わることで、保育士の負担はどうなる?
保育士の配置基準見直しという声は以前からも多くありました。
そして、今回、76年ぶりの保育士の配置基準の見直しが実施されることとなり大きくニュースで取り上げられています。
しかし、実際には、何歳の配置基準の見直し?いつから始まるの?と疑問も多いかと思います。
そこで、現役園長の私が、保育士の配置基準の対象年齢といつから始めるのか?配置基準が見直しされることにより、保育士の負担はどうなるのか?を現場のリアルな声も合わせて、徹底解説。
この記事を読み終えると、保育士の配置基準の見直しについて理解することができますので、最後までお読みくださいね。
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保育士の配置基準とは?
では、現状の国が定める保育士配置基準について整理します。
子どもの年齢 | 子どもの人数 | 保育士の人数 |
0歳児 | 3人 | 保育士1人に対して子ども3人 |
1歳児 | 6人 | 保育士1人に対して子ども6人 |
2歳児 | 6人 | 保育士1人に対して子ども6人 |
3歳児 | 20人 | 保育士1人に対して子ども20人 |
4歳児、5歳児 | 30人 | 保育士1人に対して子ども30人 |
国では、この様に、子どもの人数に対する保育士の必要数を決めております。
この配置基準が、妥当かどうか?子どもに対してもっと保育士の数が必要なんじゃない?という声は以前からもありました。
そして、この度、76年ぶりに保育士の配置基準で見直しされた年齢があります。
保育士の配置基準見直しされた点
配置基準の見直しがされたのは、4,5歳児の部分です。
現行 | 見直し後 |
保育士1人に対して子ども30人 | 保育士1人に対して子ども25人 |
この配置基準見直しは、どんな経緯でかというと、こども未来戦略方針案に書かれています。
幼児教育・保育の質の向上 ~75 年ぶりの配置基準改善と更なる処遇改善~
具体的には、「社会保障と税の一体改革」以降積み残された1歳児及び4・5歳児の職員配置基準について1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は 30 対1から 25 対1へと改善するとともに、民間給与動向等を踏まえた保育士等の更なる処遇改善を検討する。
出典:こども未来戦略方針案
余談ですが、この、こども未来戦略方針案には、話題の”こども誰でも通園制度”が書かれています。
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保育士の配置基準見直しいつから?
さて、見直しされた部分の実施はいつからなのでしょう?
保育士の配置基準見直しについての課題
見直しされたからと言って、問題解決と単純な物ではありません。
今回の配置基準の見直しについて、課題面も指摘されています。
注意
2024年度から、4,5歳児の配置基準は現行30人から25人へ見直しとなる予定ですが、急な変更で、保育士を確保できないという保育園もあることが予想され、当分の間は、従前の基準での運営も妨げないという旨の経過措置も付記されています。
この経過措置の付記により、すぐには保育士配置基準の見直しに伴う保育士確保が送れる保育園やブラック保育園で人員確保が難しい、人員確保に対しての優先度が低いということもあるかもしれません。
その様な場合、現場の保育士の負担が軽減されませんので、気をつけましょう。
自分が働く保育園が実はブラック保育園かどうか知りたい方は、「これはやばい!ブラック保育園の見分け方と特徴を園長が解説」の記事を参考にしてくださいね。
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参考これはやばい!ブラック保育園の見分け方と特徴を園長が徹底解説
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また、この経過措置gいつまでかも現時点で決まっておりませんので、今後の動向に注意が必要ですね。
配置基準見直しで保育士の負担は?
配置基準が保育士1人に対して、子どもが30人から25人へ変わったことで一番影響があるのは、現場ではこんな場合。
4歳児クラス(又は5歳児クラス、4,5歳児異年齢クラス)の子どもの人数が、26人~30人の場合は、保育士が2人になるということです。(経過措置で、当分の間は1人でも配置基準割れにはならない)
要するに、25人までの場合は、4,5歳児担任数が配置基準によって変わることはないということです。
負担が変わる点で言うと合同保育の時ですね。
例えば、4歳児15名、5歳児15名を合同で30名にして保育士が1人で保育することも配置基準上は問題ありませんでした。(現場的には、かなりの負担ですが)
それが、今回の4,5歳児配置基準の見直しにより、その様な合同保育をした時には、保育士2人で保育するということになりますね。
しかし、まだまだ、現場の保育士を中心に、更なる配置基準の見直しを訴える声が後を絶たないのです。
保育士配置基準についての現場の声
では、現場の声として、SNS上では、どのような声が上がっているのか見てみましょう。
4歳・5歳児は30対1が25対1に
3歳も20対1が15対1に配置基準が変わる。76年目にしてようやく変わる。みんなの声で変わる。
それは、すごいことです。しかし、#先進国ワースト レベルであり、予算案も全く不十分。#子どもたちにもう1人保育士を
さらに頑張りたい!https://t.co/1LEWfqeMka
— もとむら伸子(本村伸子) (@motomura_nobuko) December 26, 2023
https://twitter.com/petit_column/status/1738153160173408683
保育士配置基準見直しのからくり!
チーム保育推進加算を取得している施設では、既に25対1以上の手厚い配置を実現可能としているため、引き続き当該加算のみを適用することとする。
なんのこっちゃ!「チーム保育推進加算を取れてる施設にはお金を出しません」と言う事なの? pic.twitter.com/xAXsOdF0aw— 日本共産党神奈川県保育・子育て後援会 (@jcp_hoiku) December 22, 2023
この様に、実際にはほとんど変わらない事への疑問や不満で溢れています。
保育士の配置基準を満たしていないとどうなるの?
保育士の配置基準については、保育の安全性や質の担保などの視点から国が法律で定めた基準となります。
では、保育士の配置基準を満たしていない場合はどうなるのかを施設ごとに解説していきます。
認可保育園
認可保育園では、国が定めた基準を守っての運営となりますので、配置基準の違反をしてはいけません。
配置基準は、主に監査でチェックが入ります。
この時に、違反が発覚した場合、早急な対応策を考える、実行する必要があり、何時までたっても改善されない場合には、認可取り消しの可能性もあります。
保育士配置基準見直し最新情報
4,5歳児の保育士配置基準に加えて、3歳児の配置基準も現在の保育士1人に対して、20人から15人へ変更される予定となっています。
3歳児の配置基準に関して、行政ごとに独自で1対15の基準を満たす保育園に3歳児加算として補助金がでている市町村もあります。
1,2歳の保育士配置基準の見直しに関しても現行の1対6人から1対5人へと見直しされるでは?と言われていますが、どうなっていくのかは不透明ですね。
保育士の配置基準は、保育士の子どもに対する人数を減らすことで、保育士の数が今よりも必要になり、現状で保育士不足の状況で保育士確保が出来ないから、保育士の配置基準が進まないという悪循環に陥っています。
まとめ
今回は、76年ぶりに見直しとなった4,5歳児に対しての保育士配置基準についてまとめました。
現行 | 見直し後 |
保育士1人に対して4,5歳児の子ども30人 | 保育士1人に対して4,5歳児の子ども25人 |
実施は、2024年度からの予定となっています。
とは言え、76年ぶりに配置基準が見直しをされたということで、これをきっかけに、他の年齢も含めて見直しがされていくといいですね。
中には、保育園で配置基準より手厚く保育士を配置している法人や保育士の負担軽減に保育のICT化を進めている保育園などもあります。
今の保育園よりももっと良い保育園に転職するのも選択肢の1つだと思います。
良ければ、保育士転職サイトをまとめた記事も参考にしてくださいね。
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